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001 スリッパ

2週間ほど前から気温がぐんと落ちてきましたね。
銀杏にばかり目がいっていましたが、斜向いの小学校にある桜の葉っぱはほとんど無くなり、
緑が茂っていたころからの一変ぶりに、季節の変化を感じています。

桜の葉っぱが散っている頃、ひさしぶりにスリッパの再入荷がありました。
乾燥している今の時期なので、お洗濯したい方には、とても良いタイミングかと思います。
お手入れの記事はこちらをご参照くださいませ。
https://toe-to-knee-onlinestore.com/news/60d1ab582bf9016a40c69654

一枚の革を、一ヶ所だけ縫製してできたスリッパは、来年で10年目を迎えるようです。
年月を気にすることが少ないためか、片付けをしながら過去に作ったものを見返した際、改めて年月を感じました。
最初の製品であるスリッパに対し、違う素材で試したり、設計を変えてみたり、学校の授業を終えてから、半年ほど取り組んでいた
ことを思い出しました。できる限り納得するまで、というのは大事だと、構造や形に関するプロセスよりも、姿勢に関する見返しに
なりました。

今回は師匠と思う先生の話を少し。
学校というのは10年前、靴の木型・型紙など製靴全般を学びに通っていました。私の先生は半身麻痺の状態で型紙を断ち、納得する
線が断てないと、舌打ちをしていました。その舌打ちは嫌なものではなく、その空間にある好きな光景でした。夏はリーボックの
キャップ、冬になるとニット帽をかぶり、必要なことだけ喋るというのが先生の記憶です。とてもシャイな方で、年齢は聞いても
教えてくれませんでした。学校の授業を2ヶ月残したまま私自身が忙しくなり、学校は終了してしまいました。

20年前にも実は先生の門をたたいていましたが、その時はかないませんでした。再会し、師事したタイミングは先生の身体が不自由なときでしたが、仕事をする姿勢を感じ取ることが出来たことは、自分自身の中に今だに大きなものが残っていることを感じます。

内海桂子師匠が亡くなられたとき、ナイツのお二人がラジオで、師匠に言われた言葉というのが印象的でした。
「舞台で絵を描きなさい」

学校を終えてから会えない期間が続き、少し経ってから喪中葉書で先生の年齢を知りました。
頭で分かっていても出来ないことが、沢山あることを身を以て感じます。
それはかたちを変えながら、ずっと続くんだなと思い始めている今日この頃です。
ひとつひとつ、できることを。

11月もどうぞよろしくお願いいたします。

(文/カンダ)